宝石販売は暴利を貪っているのか？について。

さて、今回の記事は、宝石販売は暴利を貪っているのか？について書きます。


世間話で、さも宝石が暴利を貪っているかのようなことを、よく聞きます。

暴利の定義如何の問題だとも思うのですが、

今回はこれについて書きます。


結論から申し上げますと、ノーです。

宝石の利幅は、他の業種の粗利益率から見ても、暴利ではないと思います。

それでも、いや、暴利だと言い張る方は、他の業種の暴利？も言うべきだと思います。


でも、こういう人は、多分、どこもここも暴利を貪っている企業ばかりだ！と、

そのようなことをいう人にしかならないことでしょうね。　＾＾；


これだけの説明では、雲をつかむような話のように思いますので、

こういうときは、数字を見るに限ります。


「小企業の経営指標」という本が「日本政策金融公庫総合研究所」が編者となられて、

（株）中小企業リサーチセンターが発行をされておられます。

この本はいい本です。


あらゆる業種のアバウトな数字を知ることができるのです。

平均的な数字を知ることができるようになっているのです。


真吾オジサンは、２００８年のを持っているのですが、

ここから引用させて頂きましょうね。　＾＾

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ジュエリー製品卸売業

従業員数　　　　　　　　　　　１～４人　　　　　５～９人　　　　　１０～１９人　　　　　　２０～４９人

調査対象数　　　　　　　　　　１３９　　　　　　　　６９　　　　　　　　　２７　　　　　　　　　　　６

　　　　　　　　　　　　　　　　　　平均　　　　　　　平均　　　　　　　　　平均　　　　　　　　　平均

収益性

１、総資本経常利益率（％）　－２，８　　　　　－０，０　　　　　　　－０，２　　　　　　　　　０，６

２、自己資本経常利益率（％）－４４，８　　　－５５，０　　　　　　－１５，７　　　　　　　　　５，４

３、売上高総利益率（％）　　　２９，０　　　　　　３４，４　　　　　　　３５，４　　　　　　　　　３１，０

４、売上高営業利益率（％）　－０，９　　　　　　　０，０　　　　　　　　１，４　　　　　　　　　　１，７

５、売上高経常利益率（％）　－１，９　　　　　　－０，１　　　　　　　　０，０　　　　　　　　　　０，５

６、売上高経常利益率（％）
　　（償却前）　　　　　　　　　　－１，２　　　　　　　０，９　　　　　　　　０，７　　　　　　　　　　０，９

７、人件費対売上高比率（％）１５，５　　　　　　１７，９　　　　　　　１９，１　　　　　　　　　１４，８

８、諸経費対売上高比率（％）１４，１　　　　　　１４，７　　　　　　　１７，０　　　　　　　　　１８，８

９、金融費用対売上高比率（％）１，１　　　　　　　１，７　　　　　　　　１，５　　　　　　　　　　１，７

１０、総資本回転率（回）　　　　　２，０　　　　　　　１，４　　　　　　　　１，３　　　　　　　　　　１，２

１１、商品回転期間（月）　　　　　３，４　　　　　　　５，１　　　　　　　　４，６　　　　　　　　　　４，３

１２、受取勘定回転期間（月）　　２，０　　　　　　　２，１　　　　　　　　２，２　　　　　　　　　　１，９

１３、売掛金回転期間（月）　　　１，５　　　　　　　１，５　　　　　　　　１，６　　　　　　　　　　２，３

１４、支払勘定回転期間（月）　　３，２　　　　　　　３，０　　　　　　　３，８　　　　　　　　　　３，６

１５、買掛金回転期間（月）　　　２，６　　　　　　　１，９　　　　　　　　１，７　　　　　　　　　　２，４

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参考に、中華料理店の数字も書いておきましょうね。　＾＾


中華料理店

調査対象数　　１４７

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平均

収益性

１、総資本経常利益率（％）　　　　　－１，８

２、自己資本経常利益率（％）　　　－１０，０

３、売上高総利益率（％）　　　　　　　　６８，０

４、売上高営業利益率（％）　　　　　－０，９

５、売上高経常利益率（％）　　　　　－０，６

６、売上高経常利益率（％）
　　（償却前）　　　　　　　　　　　　　　　　２，３

７、人件費対売上高比率（％）　　　　　３６，８

８、諸経費対売上高比率（％）　　　　　２９，４

９、金融費用対売上高比率（％）　　　　　１，１

１０、総資本回転率（回）　　　　　　　　　　２，５

１１、商品回転期間（月）　　　　　　　　　　０，１

１２、受取勘定回転期間（月）　　　　　　　０，１

１３、支払勘定回転期間（月）　　　　　　　１，１


となっております。

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宝石の卸と中華料理店とは、話が大きく異なるのですが、

宝石の小売店でも、この中華料理店ほどの利幅は取っておりませんよ。　＾＾；


宝石が暴利を貪っていると言い張る人は、

外食産業のほとんど全てが暴利を貪っているとも言わないとおかしいと思います。


過去の過量販売等の訴状を拝見すると、

如何に宝石や呉服が暴利を貪っているか、というようなことが書かれてありました。

今後も書かれることだろうと思います。


それをご覧になられた方が、それを額面通りにとることも考えられます。


また、如何に宝石・呉服が暴利を貪っているかを書いた本も多いように思います。


しかし、こうした準備書面をお書きになられて先生や、そうした本を書いた著者は、

他の業種が如何に暴利？を貪っているかも書く必要があるように思います。


弁護士の先生が書く準備書面は、被害者の代理人の面があるので、

訴訟に勝つために、そう表現されている面もあるのだと思います。

真吾オジサンはそう思っております。


宝石業界が、如何に暴利を貪っているかのような表現を好む人は、

他の業種のことにも言及するべきです。

ここを言わないで、宝石・呉服の業種ばかりが、

さも暴利を貪っているかのような書き方は、誤解であり、失礼なことに過ぎないように思います。


ババアなどのいい加減な世間話を本気にしている馬鹿な消費者が多いので、

今日の記事を書きました。


賢明なる消費者の一助にでもなれば、書いた甲斐があります。

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