逆境について。 その１

リンク・フリーです。


さて、今回の記事は、逆境について書きます。


この逆境についても、新渡戸稲造が

「修養」のなかで書いております。


「逆境にある時の心得」と題して書いておられるのです。


これも面白かったので一部引用させて頂きますね。

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一、逆境の人はヤケになりやすい



ただし注意すべきは逆境に陥った人が

その精神上に種々なる影響を受くるを免れぬことでる。


これは逆境にある人の最も注意し、

警戒せねばならぬことである。



逆境に陥った人は、ただちに逆境そのものを悲しみ怨み、

「自分はこれほどまでに努めておるのに、

　なおこんな禍いを受け逆境に陥る。

　これでは全く努める甲斐もない」

と憂えて、逆境を切り抜けることを思わず、

かえってヤケになり、堕落する者が世間にたくさんある。


人間がせっかく立てた志を遂げず、

ついに堕落して一生を不幸に過ごす理由はいろいろあるが、

一時の困難のためにヤケとなり、

これを切り抜ける勇気と知識とを欠くより生ずる者が極めて多い。


最大多数はほとんどこれに由るというてもよいくらいである。



逆境に陥った人がヤケになるのは短慮の人に多い。


遠い慮りのある者は、なかなかヤケにならぬ。


短慮の人は目前の逆境に目がくらみ、

一歩先を見ることができぬ。


したがって、乱暴な心にもなれば、また不心得もする。


ゆえに、教育を受けた人、多くの経験を積んだ人は

たとえ逆境に陥っても、ヤケになる者が比較的に少なく、

無教育の人、経験のない人、換言すれば年の若い人に、

逆境のためにヤケになる者が最も多い。



（略）



人は逆境に陥ると、とかく冷静に考えないで、

前後を忘却し、ただ困る困るといってヤケになる。


中にはこれを勇み肌とか何とかいって喜んでおる者もあるが、

僕はこれは人物の丈が低いために、前方が見えぬのであると信ずる。


少し爪立って前方を眺むれば、

人間の生ける間には、一条の光明が前途に輝き、

希望の光が見えるものである。


しかるに、短慮の人は一時の暗黒に迷わされ、

すぐに前途はどこまでも闇となりと速断し、

遠く前方に輝ける光を見損ない、

希望を認むることができずして、ヤケになるのが多い。



この場合に際し、一歩を退いて、

「はて、この先は・・・」

と考えたならば、前途が少しは見え、光も望みも認められ、

逆境よりヤケになる者が、今日よりもはるかに減少するであろう。


僕は逆境にある人に、切にこのことを勧む。


目前のことのみにくらまされずに、

も少し爪立ちして前方を望まんことを。


（略）

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今回はここまでの引用とさせていただきますが、

おっしゃる通りですよね。



逆境にあって、ブルーになっている方には、

今日記事に書いたことを覚えておいて頂きたいものですね。　＾＾



また、逆境に陥りそうな人にもご覧いただきたいものですね。




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