過ぎたる社会正義について。

リンク・フリーです。


今回も「四〇〇万企業が哭いている」（石塚健司著・講談社）のことを書きましょう。


この本の１７９ページ目にこう書かれてありました。


ここに出てくる「河本」という人は、

この事件の被疑者で、経営コンサルタント会社の代表の方です。

元銀行員のコンサルタントの方です。

---

河本「中小企業の大多数は粉飾決算をしている。

　　　　でも我々はそれを全部後押ししてきたわけではない。

　　　　リスケジュールをさせることの方が多い。

　　　　現在のシステムでは粉飾を続けながら会社を建て直すしかない会社もある。

　　　　それが現実だ」

検事「それは暴論だ。粉飾決算は悪なのだから、

　　　　あなた方は全部やめさせるべきだった」

河本「そんなことをしたら中小企業がバタバタと潰れることになる。

　　　　日本経済がだめになる。

　　　　四百万社のうち百万社が潰れてもいいというのか」

検事「仕方のないことだ」

河本「大勢の人が路頭に迷うことになってもいいのか」

検事「我々には関係ない」

---

こう書いてあるところがありました。


これに対する評価は多分いろいろとあることでしょう。


「法律上はそうなっているのだから検事さんのいうことの方が正しいな」

こういう方も多いことでしょう。


法律の条文になっておりますと、それを不磨の大典のごとくに思う傾向のある

左翼のオバサンなんかとか、若い方で正義感にあふれていらっしゃる方でしたら、

こう思われる方もきっと多いことでしょう。

これも若いうちならこれでいいと思います。


ただ、これを中小零細企業のオヤジさん・おふくろさんが御覧になられますと、

それも鼻息の荒いオヤジさん・おふくろさんでしたら、

「この検事は天誅すべし！！！」

くらいに思われる方もきっといらっしゃることでしょうね。　　＾＾：


まあ、こう思われた中小零細企業のオヤジさん・おふくろさんは、

「この検事さんはきっと世間知らずで、まだお尻が青いのだな・・・」

という風に思うようにしましょうね。　　＾＾：



これね、所謂「社会正義」という視点で見ますと、

多分、検事さんの方に分があることでしょうね。

法律上の正論といえば正論を言っておられるのですし、

法律は人に人情味・惻隠の情なんて求めていないですからね。


それどころか、人情味や惻隠の情のある方のことを

痴呆の人ようにさえ法律の世界は見なすような面はあるように思いますね。


なので、検事さんのおっしゃることの方が法律上は正しく、

そういう意味では社会正義にかなうことを言っているようにも思います。




しかし・・・


この論理は、この平成濁世の日本では

少々お話が上等に過ぎることのようにも思いますね。

「過ぎたる社会正義」のように思いますね。


よく左翼系の方で、些細な法律違反のことでも

執拗にそれを言いたがる、知恵熱の出ているオバサンがよくいるのですが、

あんな感じですよね、どうも。　　＾＾：



こういうオバサンって、兎角、

「あそこは～なことをしているとんでもなく悪い会社なの。

　絶対に関わってはダメよ。

　ああいう会社なんてどこも潰れればいいのにね」

こんなことをいつまで経っても言いたがるとしたものですよね。　　＾＾：



でも、こういう論理を現実の社会に当てはめてみますと、

如何に浮世離れしたことを言っているのかが分かりますよね。　＾＾：



こういうオバサンの論理で言えば、

コンビニはなくさないと駄目ですよね。

所謂「コンビニ会計」で問題視されているわけですからね。

悪徳企業なのですからね。



銀行もなくさないと駄目ですよね。

過剰な融資をしたり、嘘をよくつく悪徳企業なのですからね。


農協もなくさないと駄目ですよね。

過去に何度も問題を起こしているのですからね。

悪徳農協にならないと話がおかしいことになりますからね。



デパート・スーパーもなくさないと駄目ですよね。

協賛金の問題とかで、何度も問題を起こしている悪徳企業なのですからね。


保険会社もクレジット会社もなくさないと駄目ですよね。

プロ野球の球団だってなくさないと駄目ですよね。

大手アパレルの会社だって全部なくさないと駄目なはずですよね。

土木関連だってそうなりますよね。

英会話学校もそうですよね。


郵便局をはじめとする官のお仕事だってほとんど全部なくさないと駄目ですよね。

天下りをする悪徳集団なのですからね。　＾＾：


農業だって、農薬の問題を厳密に言えば、

大概の農業従事者だって、悪徳農家になりますよね。


宗教団体だって、信者を騙しているに過ぎないということになりますよね。

法律上の論理をそのまま実際の宗教団体に持ち込みますと、

どこの宗派とはいえ、ほとんど全部問題視されてもいいはずですよ。　＾＾：


学校だって、いじめを放置している悪徳教師の団体ともいえるようなことになっているでしょう？


自動車だって、しょっちゅうリコールなどの問題を起こす

問題企業の集団ということにならないとおかしいですよね。　　＾＾：



こういう馬鹿なオバサンの正義の論理を、実際の日本社会に当てはめますと、

これらの企業・団体を全部つぶしてしまえ！ということですよね。　＾＾：



真吾オジサンに言わせますと、こういう論理は

テポドンよりも危険視した方がいいようにさえ思うのですが・・・　　＾＾：



「法律をキチンと守りなさい！！」

こういうことをやかましく言う人も、この世間には必要だとは思います。


ただ、その「過ぎたる正義」は、もっと酷い社会にもなりかねないことにも

偶には思いを致して頂きたいようにも思いますね。


「過ぎたる正義」のために、失業者が増えすぎるような社会って、

本当にいい社会なのかな？とも思いますよ。


ある程度は、てげてげぐらいでもいいように思いますよ。　＾＾
　


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