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リンク・フリーです。


さて、今回の記事も逆境についてです。


今回も新渡戸稲造の「修養」からです。

前回の記事の続きです。





(略)

また思想もかくのごとく進歩せぬとしても、

他人の幸福は我を害するどころでなく、

グルグル回って自己の幸福ともなるという観念を養うたなら、

うらやむ念は薄らぐであろう。




すでに述べたごとく、現時の共同的生存はまだ原始的時代であるから、

個人間の親密は充分に発達してはおらぬ。


しかし、それがだんだん密になり行くことは、

確かな傾向である。


例えば、僕はいまだ樺太の漁夫を見たこともなく、

またその名さえも知らぬが、本年の漁業が豊漁で

彼等が手をうって喜んでおる時は、

その笑い声が僕の耳にも無線電信で達するように思われる。


よし、その声を聞くことあたわずとも、

翌日に至れば食う魚価が安くなり、

平生一尾しか食わなかったものも、二尾食えることになる。


また、台湾の百姓が旱魃に苦しみ、雨を祈っても、

一滴の雨さえ降らぬ時に発する悲鳴の声は、

無線電信にて我々に達するのであるが、

情けないことに、我々はこれを聞く耳を持たぬので、

意に介せずに過ごしておる。


しかし、旱魃のために米作ができねば、

米価は上がり、我々もほどなく台湾人と同じく、

悲鳴の声を発せざるを得なくなるであろう。



すべて、こういうふうに、一村一国、

または世界の連鎖がデリケートになるから、

「喜ぶ者とともに喜べ、悲しむ者とともに悲しめ」

と教えたる聖人の言も無理からぬことである。


一見すると他人の利は我が害、他人の損は我の得というように見えるが、

実際はそうではない。


そうでないどころか、一人の利は万人の利、

一人の苦は万人の苦、一人の楽は万人の楽である。


かく観ずれば、世界の調和は美しい。




生まれながらにして聖人たるものは、

議論せずにこのことを感ずるが、

凡人は迷信に駆られ、その考えがここに至らぬ。


ゆえに、我ら凡人は事に当たるごとに、

顧みて共同的利害のある点に心を向けるようにすれば、

次第に人をうらやむ念は薄くなるであろう。






こう書いてあります。



お尻が青い論理のようにも、真吾オジサンには思えるのですが、

ただ巡り巡って、自分に返ってくる・幸福につながるという考えはいいですよね。



昔の人は世間話でもこういうことを言っていたものですが、

最近はこういうことを言う人って、滅多にいなくなったように思いますね。



日本が農村の社会であった時には、その名残があった時には、

こういう考えになり易い土壌があったのかもしれませんね。



先日の記事に書きましたが、最近は

どこもかしこも露骨ですもんね。


「奥床しさ」「めぐりめぐって」

なんて死語になったようにすら思いますもんね・・・



どちらが本当の意味で豊かな社会なんでしょうね? ^^



「金になることは石に齧りついてでも、露骨でも何でも・・・」

というのと、

「まあ金なんて天下の回りものよ。 世の為・人の為もたまにはいいではないか。

 それに情けは人の為ならずってことさ。 一緒に喜ぼう!!」

くらいに思える人が多い社会。



逆境の話から、大きくそれてしまいましたね。 ^^;

でも、今の日本にはこう思える人は必要だと思いますよ。


目先に利益にしか思いが至らない人・企業・集団のようでは・・・

と真吾オジサンは思いますね。




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