愛染苑山久モニター事件について。 その３

さて、今回の記事も、

「愛染苑山久モニター事件」について書きます。


今日の記事は、業者さん向けに書くつもりなのですが、

できれば、消費者の方もご覧くださいね。　


先日、このブログの記事で「従業員商法について」

という記事を書いたのですが、

今日の記事も、ご覧頂けますと、もっと勉強になるはずだと思います。



ところで、皆さんは、旧割賦販売法の８条５号を御存知でしたか？

ここが大切なところなのです。



旧割賦販売法の第８条をここに書きますね。


第８条　（適用除外）

　この章の規定は、次の割賦販売

　（第４条の４の規定にあっては、第２号から第６号までに掲げるものに限る）

　については、適用しない。


１、指定商品又はこれを部品若しくは付属品とする商品を

　　販売することを業とする者に対して行う当該指定商品の割賦販売

　　（連鎖販売個人契約に係るものを除く）


２、輸出取引たる割賦販売


３、国又は地方公共団体が行う割賦販売


４、次の団体がその直接又は間接の構成員に対して行う割賦販売

　　（当該団体が構成員以外の者にその事業又は施設を

　　　利用させることができる場合には、

　　　これらの者に対して行う割賦販売も含む。）

　　　
　　　イ、特別の法律に基づいて設立された組合並びに

　　　　　その連合会及び中央会


　　　ロ、国家公務員法　第１０８条の２又は地方公務員法　第５２条の団体


　　　ハ、労働組合


５、事業者がその従業員に対して行う割賦販売


６、無尽業法　第１条に規定する無尽に該当する割賦販売


７、指定権利を販売する契約又は指定役務を提供する契約

　　（連鎖販売個人契約及び業務提供誘引販売個人契約を除く。）

　　であって、当該契約の申し込みをした者、

　　購入者又は役務の提供を受ける者のために商行為となる割賦販売


御存じだったでしょうか？　　＾＾



「従業員商法」や「モニター商法」は、単純な消費者だとは言えないのです。

こういう面があることも、この機会に知っておきましょうね。　　＾＾



真吾オジサンは、呉服業界の大手の某会社の「従業員商法」の被害者？の方から

話を何度か聞いたことがあります。


この呉服の大手の会社は、従業員に対して、

「由らしむべし、知らしむべからず」をしているのです。　　＾＾；


真吾オジサンが、その会社の資料を見せて、

「～は、今、従業員さんに訴えられているみたいですよ。」と教えたことがあります。

被害者？「えっ！　ちょっとそれを見てもいいですか？」

真吾オジサン「どうぞ、どうぞ。　御遠慮なく。」

となったこともあります。


訴訟のことも御存じではありませんでしたし、

勿論、この第８条５号のことなど、知っているわけもなかったのです。

狡すっからい会社ですよね。　　＾＾；



愛染苑山久の問題でも、この第８条５号が争点の一つになりました。

当然ですよね。



被告（某信販会社）は、この第８条５号を、

内部の自治の尊重という点を重視して、

「従業者」を事業者と雇用契約を締結をした者

又は単なる販売者と顧客の関係を超えた者をいうと解した上で、

事業者がこれらの者に対して行う割賦販売が

すべて同条同号の規定する割賦販売に該当する旨主張しました。


しかし、第８条５号の規定する割賦販売とは、

事業者と従業者との間に利害対立がなく、

会社内の従業者の福利厚生のために行う購買会

又はそれと同視し得るような場合をいうものと

解するのが相当であって、被告の主張は採用できない、とされました。



消費者の方は、知っておきたいものです。


ただ、訴訟ということになると、信販会社や販売業者から

このように主張されかねないことも、知っておきましょうね。

もしかすると、どう転ぶかわかったものではないから、ということです。



実は、この愛染苑山久では、個別訴訟で、

愛染苑山久とモニターとの売買契約は、

事業者と従業員との取引（第８条５号）に当たるので、

割賦販売法の適用除外となり

対抗抗弁は認められない、ということで被害者が敗訴されていたのです。


こういうことにもなりかねないのです。


このブログをご覧の貴方、

まあ、業者さんでも、消費者でも、

このモニター商法には無縁でいましょうね。


業者さんや、知人の方があれこれということがあるかもしれませんが、

まあ、真吾オジサンの言うことを聞いておいた方がいいと思いますよ。

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