独占禁止法の「不公正な取引方法」について。

さて、今回の記事は、

独占禁止法の「不公正な取引方法」について書きます。


この独占禁止法という法律、

テレビ等のマスコミでしばしば報道されるものの、

その内容はあまり世間には知られていないように思います。


この独占禁止法は、

あらゆる事業者および事業者団体を対象にしておりまして、

他の事業者や消費者に対して、

どのような行動をとらなければならないのかをという点について、

３つの実体規定を中心に規定されているのだそうです。


その３つとは、すなわち、

①　不当な取引制限（カルテル・入札談合）

②　私的独占の禁止

③　不公正な取引方法の禁止

です。


事業者がこれらに違反をしたと思われるときは、

何人も公正取引委員会に対し措置請求ができるそうです。



この中の「不公正な取引方法」について書きます。


多分、大概の業者さんにとっては耳の痛いことが

多く書かれていると思われるのですが、

まあ、話のネタくらいに思われて、ぜひ、御一読のほどを。　＾＾


はじめてご覧になられる方は、

「ええ！！　こんなこと、どこでもしてるじゃない！！！」

と驚かれる方も、少なくはないと思いますよ。　＾＾

---

公正取引委員会が昭和５７年告示１５号において

「一般指定」した行為は、以下の通りである。


①　取引拒絶（１項・２項）

事業者に対し、取引を拒絶または商品等の数量制限をする行為。


②　差別対価（３項）

地域または相手方により差別的な対価をもって、商品等を供給する行為。


③　差別取扱い（４項・５項）

a,　事業者に対し、取引の実施について有利または不利な取り扱いをする行為。

b,　事業者団体もしくは共同行為から事業者を排斥したり、

　　 事業者団体や共同行為において事業者を差別的に取扱う行為


④　不当廉売（６項）

不当に商品等を低価格で供給する行為。


⑤　不当高価購入（７項）

不当に商品等を高価格で供給する行為


⑥　ぎまん的顧客誘引（８項）

ぎまん的販売方法で競争者の顧客を自己と取引するよう誘因する行為。


⑦　不当な利益による顧客誘引（９項）

不当な利益をもって競争者の顧客を自己と取引するよう誘因する行為。


⑧　抱き合わせ販売（１０項）

商品との販売に併せて他の商品等の購入や取引を強制する行為。


⑨　排他的条件付取引（１１項）

相手方が自己の競争者と取引をしないことを条件にして取引する行為。


⑩　再販売価格の拘束（１２項）

商品を販売する相手方が第三者に当該商品を販売する際の

販売価格の自由な決定を拘束する行為。


⑪　拘束条件付取引（１３項）

相手方の事業活動を不当に拘束する条件を付けて取引する行為。


⑫　優越的地位の濫用（１４項）

自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、

不当に経済上の利益を提供させる等

相手方に不利益を与える行為。


⑬　競争者に対する取引妨害（１５項）

競争関係にある他の事業者の取引について、

契約の成立の阻止、不履行の誘因等、

その取引を不当に妨害する行為。


⑭　競争会社に対する内部干渉（１６項）

競争関係にある他の会社の株主、役員に対し、

その会社の不利益となるような行為をするよう

不当に強制等をする行為。

---

こうなっているのですよ、本当はね。　＾＾



ぎまん的顧客誘引というのは、

宝石関連では、ベルギーダイヤモンド事件が有名ですよね。


また、しばしば、フランチャイズ契約の際に、

虚偽・誇大妄想的な売り上げ予測を、

しばしば、フランチャイザーが示すことがあるのですが、

これも、この「ぎまん的顧客誘引」に当たるとされていたと思います。



また、このフランチャイズ契約の場合でしたら、

優越的地位の濫用の問題も、これまたしばしば問題視されております。

マスコミでたまに発表をされておりますので、

ご記憶の方も多いことと思います。



はっきりいって、実際の仕事の現場では

上記のようなことが横行していると、真吾オジサンは思いますよ。

いちいち怒る気もならないくらいに横行していると思います。


ただ、法律上は、本当は、こうなっていることを

このブログをご覧の方々に知って頂くだけでも、

この記事を書いた甲斐があります。


人様に・他の企業に、

－結果的にであれ－

迷惑をかけることのないようにしたいものですね。



　宝石メモ・ブログ　カテゴリ【仕事一般】（タイトル名も分かります）

２０１１年過去記事・一覧表

２０１０年過去記事・一覧表

カテゴリ（タイトル名付き）

宝石メモ・HP

 

宝石メモ・ブログ　　関連キーワード

あ行	か行	さ行	た行	な行
は行	ま行	や行	ら行	わ行